ブチッ…1つ音を立てると紅は起き上がりました。

「お前…縄を、ちぎった?」

狼の声に反応するように、紅はゆっくりと顔をあげ、冷たい何の感情もない目をしながら狼に近づきます。

狼は紅の突然すぎる変化と恐ろしさに、その場に座り込んでしまいました。

『なんで…嘘をつくの?』

「へ?」

『なんで…イタチさんを傷付けるの?』

「それは…」

『なんで!…』

紅は回りの空気が振動するほど叫ぶと、狼の目の前にいどうしました。