紅はまた歩きます。

そんな紅を木の影から見ているものがいましたら。

「あのこ、可愛いな…欲しいな…。」

と、それは言いました。

しばらくすると、それは意を決して紅に話しかけました。

紅は目の前に突然現れた、狼の着ぐるみをきた男に驚き、尋ねました。

『こんにちは。貴方は誰?』

「ぼ、僕は狼だよ。可愛いお嬢さん、君は何をしているんだい?」

『私はこれからおばあさんの所へ行くの。』

「おばあさんの所へかい?なら、向こうに可愛いお花がたくさん咲いていたから、それを持っていけば喜ぶよ。」

『本当に!?わぁ、ありがとう!』

「うん。ぼくが案内してあげる。」