「ひっ!」

狼はあまりの恐怖に小さく声を立てると、地面に額を擦り付けました。

「すみません!もうしません!許してください!」

『なんで!嘘をつく!イタチさんを傷付ける!なんで!』

「すみません!命だけは…助けて」

最後の方はもう涙ながらに言いました。

すると、紅は何か異様なものを見るように言いました。

『私は貴方を殺すなんて言ってない。ただキイテルだけ。』

「なら…!」

『でも、貴方は答えない…お望み通り、命だけは助けてあげる。』

「そんな…ひっ」

ズル…ズル…と紅は男の襟首を持ち引き摺りイタチからは見えない木の影に歩いていった。