一ヶ月に一回のそのテストのために毎日が勉強という日課になっていた。
今の所はトップクラスをキープしている。
この塾に入ったばかりのときの標準クラスの友達は、ずっと標準にいる。
でも私もこないだはあと二点少なかったらトップじゃなく標準だっただろう。
1.2点でクラスが決まっちゃうのだから恐ろしいし油断もすきもないのだ。
そんなときに学校に行けなくなったら・・・なんて考えると怖いな。

私は久方君からのメールを無視すると、インターホンがなった。
私は窓から玄関のドアの前あたりを見ると・・・久方君がいた。
住所を教えてないのに何でいるのかな。
私はしぶしぶ外に出た。
「何メール無視ってんだよっ!」
「あたしはいかないよ。 今勉強中なんだから邪魔しないでよ」
ドンっ  私は勢いよくドアを閉めた。
と同時に、やってしまった。
まあ やったのは自分からだったっぽいけど・・・
久方君はドアに腕を挟んでいた。
「・・・え?・・・大丈・・・夫?」
「っまあな・・・っ痛ってえ」
私は中に入れてあわてて薬箱をとった。
少し血が出でいたので絆創膏を貼ってあげた。
「・・・ごめん」
誤ったのは彼のほうだった。
私のほうが悪いのに・・・なのに久方君に謝らせちゃった・・・
悪かった。私も謝らなきゃっ・・・
「・・・・・・・」
言葉が出ない。あまりの沈黙が続いた・・・
それをやさしく破ってくれたのは久方君だった。
「・・・遊園地・・・行こうなんていいだしてごめんな・・・」
もう限界だった。胸が張り裂けそうで・・・
それがどんなにもつらいことで、言葉か出ないことにどんなにイラついたことか・・・
私は意を決していった。
「・・・わっ・・私・・・行きたくないわけじゃなかった・・・そんなつもりじゃ・・・そんなんじゃ・・・」
先の言葉が出ない。何を言っていいかわからないから。
でも久方君は冷静に私をやさしく包んでくれた。