焼きそばを食べ終わったあたしたちは,ゴミ箱を探してキョロキョロした。
すると,さっき焼きそばを買ったお店の三年の人たちが話しかけてきた。

「さっきは焼きそば買ってくれてありがとー。
なんか探してるん?」

「ゴミ箱を……」

琴音が焼きそばの食べ終わった紙皿を見せて言った。

「あーじゃあ俺が捨てといたるわ」

背の低い男が紙皿を取った。

「ありがとうございまーす!!」

あたしたちはごみを預けた。

そしてちょっとだけ,その男と喋った。

そしてすぐ気づいた。

この男……琴音がタイプなんだなー。
さっきから琴音ばっかにデレデレして話しかけている。

でも琴音は面食いやし,この人ちょっと不細工やから,絶対タイプじゃないやろな。
あたしもタイプちゃうし。
琴音は誰にでも同じ態度をとるから誤解されやすいけど。

案の定,その男は琴音にアドレスを聞いていた。