あたし達は岸に戻って,知江も連れて停留所に向かった。

どうしよう・・・やっぱアレ乗るン怖くなってきた。

しばらくするとさっきのお兄さんが2台のボートを飛ばして戻ってきた。

「はい,これ着て2-2で後ろ乗って。」

みんなライフジャケットを受け取って着だした。

あかん・・・やっぱ無理!!怖い!!

「ごめん!!やっぱあたし怖いしやめとくわ!!」

あたしは勇気を出していった。
空気ぶち壊してンのはわかってる。でも無理やねんもん。
このノリで行ったら絶対ボート飛ばしまくらはる!!

「えー?!大丈夫やって!!せっかく来てくれはったのに悪いやんか!!」

やっぱり1番に文句を言ったのは麻衣だった。
麻衣には乗り物苦手なあたしの気持ちなんてわかんないよ。
麻衣はジェットコースターとか大好きな人やしさ。

「大丈夫やでー?怖いならゆっくり走るし。」

ってお兄さんは言うけど・・・でも2人ずつ後ろに乗せてもらうわけやろ?
てことはあたしと一緒に乗る誰かは,飛ばして欲しくてもゆっくりなんに付き合わなあかんてことやん。
そんなん悪いもん。あとで言われそうやし。

「すいません。ここでまっときます。」

あたしは一人停留場に残り,3人を乗せた2台のボートはものすごいスピードで沖に向かって行った。


・・・早!!乗らんでよかった!!