大和はすごい驚いてるけど拒否はしない。


30秒くらいたってこっちが苦しくなって唇を離すと、大和はまたもや涼しい顔。



「何? 俺に惚れた?」


「惚れるわけないでしょ!?」


「じゃあ何で?」


大和の顔は「素直」って言ってるように見えて。


私はいつの間にか口を開いてた。



「私だけ苦しくて、大和は平気なのが気に入らなかったの!」


「…それだけ?」


「負けるなんてプライドが許さないのよ!」


いつでも完璧な女でいる。



両親から言いつけられて、忠実に守ってきた。


最近は私自身完璧な女でいたいって思ってる。



なのに。


大和といる私は、いつもの私じゃない。




「私ばっかりバクバクして、大和に狂わされて。そんなの我慢できない」


「葵?」


「大和も私に狂いなさいよ!!」