大和はフェンスにもたれかかって空を見上げる。





「何で私をここに連れて来たの? 授業があるのよ」


入口に突っ立ったまま大和をにらむと、
大和は表情ひとつ変えずに私を見つめた。



「恋愛教えるって言っただろ。いやなら戻れば? 俺は止めねー」



なっ…何て勝手なの!?


この私に向かって…何様のつもりよ!


「言われなくても戻るわよ!」



方向転換する前に一瞬見た大和の瞳は、
よどみなく吸い込まれそうで。




階段の前で立ち止まってしまった私は、
仕方なく大和の隣に座った。


「戻るんじゃなかったの?」


「アンタのためにいてあげるのよ。感謝しなさい」


「いじっぱり…」




大和は昨日見せた無邪気な笑みを浮かべた。



あ…ヤバイかも…。



また心臓バクバクしてきた…。