カチャ……

食器がぶつかり合う音がする。

城内の食料で作る、彼等は料理はいつも美味しい。

「自給自足してるから?こんなに料理が上手いのは。」

「まぁな。女がいないから、俺たちで作るしかねぇからな。」

「そうよね。」

バリックはリィナのベッドに腰かけた。

「まぁ……母親はいたけどな。」

「……あなたの?」

「あぁ。父親もいたさ。でも2人とも死んだ。」

バリックは歯を食い縛った。

小刻みに体が震える。

「殺されたのさ……“聖人”どもに……!」

「!?」

「レイドとロイドが産まれてすぐだ。俺の両親、ローズとオルディンの両親、2人の両親。みんなの両親が殺された。」

バリックは拳を力強く握る。

「どこの国の人間かは知らねぇ。その時俺たちが住んでいた里が、襲撃された。」

「そんな……。」

「俺たちの両親は、みんなちゃんと恋をして結ばれたんだ。けれど、襲って来た“聖人”は『人拐い』だと言った。父親たちは真っ向に挑んだ。そして殺された……。」

「なんてこと……。」

リィナは手で口を塞いだ。