口下手で恋愛下手な俺。
よく、"女たらしそう"なんて言われるけどそんなことはない。

女と付き合ったのは、小6のころの一回だけ。



「ねぇ、木島ー」



後ろから俺を呼ぶ声、きっと紀田だと考えるだけで顔が沸騰しそうだ。



「……」



振り向いたものの紀田を見ると何も言えなくなる。

なんて答えたら印象がいいだろう?



「なんか美夏が話してみたいって、話してあげて♪」

紀田の後ろから、さっきまで騒いでたやつがでてきた。

ずいぶん清楚っぽいっていうか、女の子っぽいっていうか。



そうして猫なで声ではなしだした。



「木島くん?
お話ししてもいぃ…の?」



なんだコイツ。
うぜー。



「……」



眉をピクつかせつつ、俺はまだ正常をキープしていた。

そろそろぶちギレそう。



「木島ぁ、なんか話してあげて?」



横から紀田が俺に向かって手を合わせた。

そんなお願いの仕方されたら、どうかしそうなぐらい熱くなる。



「ごめん、頭いてーから今度で許して」



俺は顔の火照りを隠しながら、その場をさった。