それから、カリンはどれだけ涙を流したのだろう。

カリンの涙は枯れる事はなかった。


涙が止まった後も、ルイはカリンが落ち着くまで、優しく、そっと抱いていた。


 「…ありがと…ルイ…」

カリンはルイの胸から顔を離し、かすれた声でそう言った。


まだ心配なのか、ルイはカリンの顔をのぞき込む。

 「大丈夫か?」

 「うん。」

そんな少ない話をした後、気まずい雰囲気が流れる。


 「…」

言葉を求めるように、カリンはルイの目を見つめる。


それに答えなければならないルイの口から出た言葉は、こうだった。


 「何が…あった?」

 「えっ…」

予想もしないルイの言葉に、カリンは驚いたようだ。


(!やべぇ…何言ってんだよ俺…!)

(カリンは今泣き止んだばっかなんだぞ…まだうっすらと涙が滲んでんのに…バカだ…俺…)


そんな事を思っていると、カリンが口を開いた。


 「この村の…過去…」

 「過去…?」

聞き返したルイに頷き、続ける。


 「そして…真実…」


(過去と…真実…)

ルイは心の中で呟いた。


遠くを見つめるような目をし、カリンは話しはじめる。