『…これで、大丈夫でしょう…』

数分の後、サキがカリンの額から手を放し、そう言った。


 「…こんな事して、いいのか…?」


カリンの胸は、上下にゆっくり動き、目を瞑るその顔は、眠っているようだ…


サキが、カリンの命を救ったという事なのだろう…

サキは何者なのか…
何をしたのか…

様々な疑問が頭を巡るが、サキのした事が大丈夫なのか、心配になったのだ…



ルイの言葉に、サキはカリンの頭を優しくなでて答える。

 『…これが、私の指名、ですから…』

 「…指名…?」


 『私は、カリンさんを見守るよう、命を受けました。その命を、成し遂げただけなのです。」


ルイは他の疑問を訊こうとするが、サキはそれ以上は答えないと言った様子だ…



そして、立ち上がりながらこう言った…

 『神は、カリンさんを連れて帰れと申しました。しかし……ルイ、あなたがいれば、大丈夫でしょう……』

と…



サキは4人の顔を一通り見ると、身を翻し、光の元へと歩き出す…



それを無言で見つめる3人…