ルイの後を追うマイとイワン。

まだ理解ができないようで。


イワンは何故かこっそりとマイに問う。

 「なぁマイ、どうなってんや?」

 「知らないわよ…いつの間にか…」

 「何や、知らへんのか…」

期待外れと言う風にため息を吐いた。

そのため息を聞き逃さず、マイは眉をつりあげる。


 「何よその口振りは?」

 「な、何にもないです…」

 「そう?」

やはりマイにはかなわないイワンであった…


前を歩くカリンを抱えるルイとサキ。


 「サキ、カリンは大丈夫なのか?」

カリンの様子を伺いながら、サキに問う。
カリンは未だ、目を開ける事はない…

ルイの問いに、サキはカリンに目を向けて答える。


 『カリンさんは大丈夫です。しかしどうなるか…』

意味ありげな言動。

その言葉をルイは聞き逃さなかった。


 「?何か知ってるのか?」

 『それ以上は言えません…』

顔を反らすサキ。
何かを隠しているようだが…


 「何故だ?お前…」


 『ここで休んで下さい。それでは…』

ルイは更に訊き正そうとしたが、サキは話を反らす。

ある建物を指を差し、背を向けたのだった…

 「サキ、帰るんか?」

 『はい。』

 「気をつけて」

微笑みながら2人の横を通る。

 「待て!何でここに…それに、お前は何を知ってるんだ!?」

 『…』

ルイはサキに叫ぶ。

しかしサキは何も言わず、風と共に消えた…