瞬く星の下、大きな木に背を預け、空を見上げる男がいた。

整った顔の中の、青い瞳には、少し悲しみを含んでいるように見える…

そんな男の元へ、何者かが近寄ってくる。

 「ルイ君。」

 「…?」

名前を呼ばれ、声のした方へと顔を向ける。

そこには、長い髪を下ろした、綺麗な顔の女性がいた。

 「カンナさん…」

カンナはルイの横に腰を下ろし、ルイと同じように、星を見つめた。

 「…」

無言で星を見つめるカンナ。
その様子を見ると、カリンが隣にいるようだ…

そんな事を思っていると、カンナがこちらへ振り向き、微笑んだ。

カリンの母親とはいえ、似すぎの笑顔に少しドキッとするのであった…

 「考え事、ですか…?」

カンナはルイに問う。

 「…はい…」

ルイは再び星を見つめ、そう答えた。
それにつられてカンナも星を見つめる。

 「カリンの事、ですよね…?」

 「…」

実際に考えていた事はちがうが、カリンの事を考えていたのは本当である。

ルイは、カンナに打ち明ける事にした。