ガタガタと、窓ガラスが揺れる…


 「クッ…」

悪魔はあっと言う間に、先ほど言葉を発した悪魔一体だけとなっていた。

闇に隠れ、思いもしない力を持つ人間の姿を探す…

下手に動けば、自分が殺されるだろう…

慎重に…
慎重に…動かなければ…


キョロキョロと暗闇の中を探す悪魔…

 「っ!!」

その悪魔のこめかみに当たる、冷たい物質…


頭は動かさず、目だけをそちらに向ける…


悪魔の背後には、余裕の表情で、何かを突きつける青年の姿…

青い瞳で、見下ろす…


こめかみに突きつけられていたのは、銃であった…


悪魔の額に汗が伝っていく…


 「一瞬の隙が死を招くって事だな…」

 「…」

悪魔は灰になるのを覚悟したように目を強くつむった…



バン!!

何もない暗闇の部屋に、銃声が響きわたる…