さっきよりも少し遠くに行った高城の後ろ姿を見るとやっぱりまだ胸が締め付けられる。

ああやって彼女のように隣に並ぶことができるかもしれない立場で、出来ない状況。


「このまま放って置いたらマシになるかなー……」


なって欲しいという気持ちもこめてぼそっと呟く。

嫉妬も独占欲も愛情も全てが猛毒のように私の体に行き渡って行く気がする。


嬉しさも悲しさもこんなに尾を引くなんて初めてだ。

それだけ好きってこと?


ここまで好きになった気持ちってどうやって消去するんだろう。

私の体の中には毒しかないんじゃないかと思う。


私が一体何をしたのか。
神様を恨むしかない。


そもそも神様ってみんなを愛するんじゃないの?愛深い神様の癖に愛することすら禁じられた私はどうしたらいいんだよ。


「神様憎い……」

「でもさ良かったこともあると思うよ?

ほら、豊海がそれこそすげえ美人だったら今みたいに告白し回っても振られないし、適度な顔にして貰って良かったよなー」


昭平の顔殴ってじゃがいもみたいにしてやりたい。