「お前と付き合ったこと、後悔なんか微塵もしてやんねーから」

「……は? え? ……え!?」


にやりと笑いかける俺を見て、豊海は俺の予想通りにみるみるうちに顔を真っ青に変えていく。


「え!? ちょ……な!?」

「日本語しゃべって?」


相変わらずパニックになると何が言いたいのかさっぱりわからない。まあ、大体は分かっているけど。


俺の隣で、俺から受け取った鞄の中身をがさがさと調べ始める。その間にも顔はもっともっと赤く、そして青くも見えた。


「ちょ……て、手紙! なんで!? 読んだの!? ぎゃあああああーもうーいやあああああああ!!!」

「うるせっ……」


お前は俺の心配なんかしてないで、自分の心配をしたり、どーっでもいいことで悩んでいれば良いんだよ。俺のことスキスキ言って、それで無駄に死にかけてれば良いんだよ。

そんなお前が、良いんだから。


……癪だけど。



後悔しないで。
してもいいけど泣かないで。


どこまでだって愛せる。

そう決めたから。そう決めたのは自分だから。そう決めたのは相手だから。


誰にも負けない毒に犯された恋心。


ねえ、ほら。すごいでしょ?
ねえ、ほら。ここまで愛せる?


致死量ギリギリ、恋愛カカオ。
今日も2人で、綱渡り。


さあ、勇気を出して死の一歩。
さあ、勇気を出して、今日も恋愛しましょうか。


Parfect End