「……好きです」
呟きながら瞳を再び開くと、待っていたかのようにぽつぽつと雫が零れて布団に小さなシミを作った。
好きです。
大好きです。
昨日よりも一昨日よりも。
大好きです。
そう口に出来れば良かった。それだけが私に許された好きな人への行為だったから。
振られたって構わなかった。そんなの当然だと思っていたから、悲しいのなんて数日で終わると思ってた。
「北島さん?目が覚めた?」
ぱたぱたとスリッパの音が聞こえたと同時に明るいお姉さんの声が聞こえて振り返る。
「ど、どうしたの?まだ体調悪い?」
「ふ、ふえ……」
一度流れ出してしまった涙は止まることを知らないみたいにあふれ出してくる。
心の中はこんなにも真っ黒なのに、何で涙は透明なんだろう。
涙が黒かったらいいのに。
この気持ちも一緒に流れ出してくれたらいいのに。