「俺が、お前と、一緒にいたいと思ってるんだけど」


世界がぐるって回ったような気がした。

世界がきっとおかしくなっちゃったんだ。
じゃないとおかしい。


高城が私を見てそんなことを、言ってくれるはずない。そんなこと分かってる。分かってるから少しだけ、夢を見たくて傍にいたいと思った。

辛くなるのは分かってたけど、それでも感じる幸せが欲しかった。妄想だけじゃなくて自分の目と体で感じられる幸せ。


だけどそんなの嘘だよ。
汚い姿晒して。
バカなところばっかり見られて。

辛い感情ばっかりが私の中に生まれてきて。

黒くってどろどろで、惨めで悲しくて重くて辛くて苦しくて吐きそうで消えそうで。


幸せな気持ちさえも一気にかき消してしまうんだ。


「私が……こんなの嫌だって思ってるの」


まさか自分がこんな言葉を口にするなんて思ってなかった。自分から、差し出された手をはねのけるようなこと。


ほんとは嬉しくて嬉しくてそれこそ今すぐ倒れそうなのに。


待ち望んでいた。
敵うはずがないと思いながらも、夢見てた。

誰かに好きだと言われること。

それ以上に好きな人に好きだと言われること。