だんだん腹立ってきた。リビングの扉をソッと開けると、虎太が先に入って辺りを見回した。



「不気味だな。何で大和は出てこないんだ?」



本当に。不思議なくらい静かだ。あたしはキッチンへと足を進めた。



「とりあえず包丁とフライパンをそれぞれ持とうか」



あたしがキッチンに入った瞬間



「きゃあ!」



強い引力で体が引き寄せられる。そして、視界は虎太と真奈美の驚愕した表情。目の前でナイフがキラリと光った。