みんなに緊張が走る。取っ手を見てみると針金でぐるぐるに縛られ、固定されて出口が封鎖されていた。ペンチがなければ切れない。


あたし達がここから逃げることを予想して大和くんが縛りに来たに違いない。もしかしたら今も近くに大和くんが……



「……綾香下がってろ。真奈美ちゃんも」



虎太の背中にあたし達は隠れるようにしがみついた。そして虎太は小声であたしに話しかけてきた。