「……逃げよう。とにかく外に」



一緒に消えたスポーツバックの中身を考えると、鳥肌がたった。


どうして?眠りについてまだ30分も経ってないのに……あれは演技だったの?



無言で一階に降りる。どこに潜んでいるか分からない悪魔に少しでも気づかれないように。


音を立てないように慎重に歩いて、玄関のドアに手を伸ばした時




「……開かない?」