「なんで……? いないの?」 薬が効かなかったの?どうして――…… 怖い、怖い、怖い。 ガクガクと体が震えて、虎太が後ろから肩に手を添えて支えてくれた。 「ここに大和が寝てたのか?」 コクンと頷くと、真奈美が隣の部屋からゴミ箱を持って出てきた。 「見て。携帯全部壊されてる。クソ兄貴、マジでイカれてる」 ゴミ箱の中には無残にも金づちのようなもので潰された携帯が3つ。あたしと虎太と真奈美のものだろう。