はっきりと誰かにSOSを伝えなくちゃ。音を立てないように二階に上がり、大和くんの部屋の扉を開けた。



電気をつけて辺りを見回す。その時、違和感に気づいた。



「バックがない」


「バック?」


「ベッドの横にスポーツバックが置いてあった。その中に針金が入ってたの」



何で?あたしがこの部屋から睡眠薬を盗んでから大和くんはずっとあたしと行動していた。


だから大和くんはこの部屋に入っていないはずなのに……



「まさかっ……」


「綾香?」