「わ…」
直哉がいきなり振り向くから…
顔がめちゃくちゃ近くて…
お互い息がかかるくらいの距離に顔があって、突然目の前にきた綺麗な顔に私の胸はドキンと跳ね上がった。
「っ……」
「ご…ごめん…」
真っ赤になった私を見て、直哉は慌てて前を向いた。
「うん…」
それから、何だか気まずくなって学校に着くまでお互いに一言も話さなかった。
ただ…私は、何も話さなくても直哉の体温を感じて、背中にくっつけた耳から伝わる直哉のドキドキっていう鼓動が心地好くて
ただ、それだけでよかったんだ。
そう。
私…
やっぱり
直哉が好き。
ずっと前から、好きだったんだ。