直哉が空を見て笑ってるから、私もつられて笑った。
「…夏だな」
「ふふふ。夏だよ」
「夏は星が綺麗なんだ」
「うん。知ってるよ」
直哉の話すことがおかしくて、私はククッと笑った。
「直哉、帰ろう。学校。みんな待ってるよ」
「ああ」
直哉が歩き出して、私もそれに着いて行く。
着いて行こうとしたんだけど…
「っ…痛い…」
そうだ。私、ケガしてたんだった。
直哉のハンカチが巻いてある右足。
踏み出すとズキズキと痛む。
「真奈?」
しゃがみ込んだ私に気付いた直哉が駆け寄ってきた。
「直哉ぁ~。ダメだ。私、歩くにしても遅くなるから、先に行って」
私は痛む右足を触りながら直哉を見上げた。
「でも」
「大丈夫だから」
私は行った行ったと直哉の肩をポンと叩いた。
「……わかった」
直哉がそう呟いて、少し寂しさを感じつつも、私はニッと笑って直哉の方に顔を向けた。
「え?」