ドキドキしてる。



「…直哉なのに……」



そうだよ。


直哉なのに。




私は、さっき直哉が触った頭にそっと触れた。



「…直哉……」



ゴツゴツした男らしい手だった。



顔だって、どんどんかっこよくなって



声だって、気付いたら低くなってた。



直哉は、いつの間にか



男になってた。




だから私……



ドキドキして……



私……



直哉のことが………




「……まさか…ないないないないないない!!」



「何が?」



「ぎゃあ!!!」




独り言を言っていたら、いつの間にか直哉が帰ってきていた。



「びっくりした~」



「何ぶつぶつ言ってんだよ。相変わらずバカだな」



「うっさい」



私は直哉の肩をバシッと叩いた。



「設置してきたの?」



「ああ。今夜は星がよく見えるよ」



直哉はほんとに嬉しそうに笑った。



私、直哉の笑顔、好き。