翌日。
来てほしくないと願った日になってしまった。
『直哉君、明日の朝、始発の電車で行くんだって』
エリカのメールに感謝だ。
私はケータイを閉じたり開いたりしながら、まだ部屋のベッドに寝転んでいた。
始発は、6時28分。
もう6時を過ぎていた。
私はゆっくりと起き上がり、寝ている家族を起こさないように家を出た。
刻一刻と時間が経っていく。
「もうすぐだ」
私は駅のホームではなく、踏切りへと向かっていた。
「ハァ…さむっ…」
3月でもまだまだ寒い。
私は両手を擦り合わせた。
そのときだった。
駅の発車の音が聞こえた。
私は慌てて踏切に駆け寄った。
もちろん遮断機は降りていて、線路なんかには入れない。
カンカンと遮断機の音が鳴り響く。
そしてーー
ビュンと、電車が通り過ぎた。