「……何…これ…」
直哉が渡していった物。
それは、アイスのあたりの棒だった。
「…!…これってもしかして…」
もしかしてじゃない。
絶対そうだ。
「私が捨てた…」
あのとき…
あの夏の日。
私がアイスを買って食べていた所へ、エリカと直哉が一緒にアイスを買いにきた。
そのとき、あたりがでたんだけど、あたりがバカバカしくなって
私はアイスの棒を捨てたんだ。
それを、直哉は拾ってたんだ。
しかも今日まで持っていたんだ…
でも、何で今さらこれを?
私は何気なく、アイスの棒をクルリと回して裏を見た。
「え?」
何だ、これ…
裏には何も書いてないはずなのに
そこには…
“東京都○○区×××△-△-△×××”
知らない住所が書かれていた。
これは直哉の字だ。
「直哉…」
直哉はここを離れるんだ…
知らなかったよ。
だから、今これを渡したんだ。
でも直哉…肝心なことがわからないよ。
…いつ、ここを出るの?