長い校長先生の話とか、来賓の人の話を聞いて
あくびが出るのを我慢したりして長い長い卒業式が終わった。
教室で担任から卒業証書を受け取って、一人一人がクラスのみんなへ一言を求められた。
私の順番が回ってきて、私は証書を受け取るとみんなの方へと向いた。
「色々あった3年間でした。楽しかったです。」
私は笑顔を作った。
1、2年生のときは、直哉と同じクラスだった。
3年生になって、さすがにもうないだろうと思っていたらまた直哉と同じクラスになったんだ。
だから本当に色々あった3年間だった。
毎年夏には直哉が星を見に連れて行ってくれた。
ケガをしたらおぶってくれた。
夏の大三角を教えてくれた。
織り姫と彦星は何の星か教えてくれた。
天体観測に誘ってくれた……
いっぱいいっぱい…
言い出したらキリがないくらいに
直哉との思い出があるよ。
「ありがとうございました」
そう言って頭を下げる。
私らしくないけど、涙が溢れていた。