走り出す足。
直哉が好き。
興味がないようなフリをしても、痛いんだよ。
すごく胸が痛いの。
チクチクって。
どんどん痛みは増していくんだよ。
ねぇ、直哉。
好きになるって、こういうことなんだね。
知らなかった。
気付かなっかったよ。
「直哉!!」
私はエリカと直哉の前に走って行き、真っ直ぐと直哉を見つめた。
「っ…ねぇ!…好きっ…」
今まで直哉の前では堪えていた涙が、頬を伝った。
「好きっ…」
そう泣きながら言うと、直哉は優しく私を抱きしめた。
これが私の幸せ。
何で言えなかったんだろう。
何で強がっていたんだろう…