夕方6時。
お母さんに浴衣を着せてもらって、神社へと向かった。
「お!きたきた!やっぱりかわいいね真奈!」
「浴衣マジックだよ」
私は照れながら、アスカの肩を叩いた。
それから、二人で歩いて、屋台を巡った。
「そういえば…」
「ん?」
アスカはパンッと手を叩いて私をまじまじと見た。
「…な……何…」
「直哉君」
「へ?」
「何で直哉君と来なかったの?」
う゛…
鋭いな。アスカ。
「…アスカが誘ってきたから」
「嘘。いつも私が誘う前には直哉君と行く約束してるよ」
「今年は…たまたまだよ」
「ふーん……本当に?」
「うん。ほんとに」
「じゃあ、あれは?」
アスカはハァとため息をついて、前を指差した。
私はその指差した方を目でたどって見た。
「……」
「いいの?真奈」
その先には、笑顔で何か話しながら歩く
浴衣姿のエリカと
「真奈…」
「…うん……」
直哉だった。