びっくりして声のした方を見ると



これまた部員のエリカが口を開いた。



エリカは大人しそうなわりには自分の意見をしっかり言う、積極的なタイプだ。




「そーだよ!!直哉は部長だよ?部長命令だと思って今夜!天文台に絶対くること」



私はエリカの言葉に便乗してみんなを見下すように言った。



「絶対だからね!」



そして、そう言い捨てるように言って天文台へと向かった直哉を追いかけた。




走って急いで靴に履きかえて、廊下を走ったときは先生に注意されたけど



直哉がバカにされたことがなぜだか悔しくて。



望遠鏡を持って無邪気に教室を出て行ったあいつに、何か言ってあげたくて。



手伝ってあげたくて。



一生懸命、走ったんだ。