「……そっか。大丈夫?」
あははっと笑ってみせると、エリカは本気で心配してきた。
「だ、大丈夫!!あははっ……っ…それで?捜してたんでしょ?どうしたの?」
もう泣いてることに触れてほしくなくて、それとなく話を逸らした。
「あ、うん!そうだ。…あのね?」
エリカはさっきみたいに顔を赤らめて、小さく微笑むと鞄から何かを取り出した。
「あの…これ…」
「……これ…」
エリカの綺麗な字で
“渡辺直哉さま”
と書かれた、手紙だった。
「渡して、欲しいの……」
「え……私が……?」
正直、嫌だって言いたかった。
「自分で渡した方がいいよ。こういうのは…」
精一杯の断り方だった。
でもエリカは
「告白とか、そういうのじゃないの!ただ……また星を見に行こうって…誘いの手紙だから…」
「…星」
私は持っていたケータイをギュッと握りしめた。