それから、私はエリカに一応お礼を言って「職員室に行くから」と嘘をついてその場を離れた。
4階まである校舎を一気に駆け上がった。
“鍵が壊れています。立入禁止”
と書かれた貼紙を無視して、私はドアをバンッと乱暴に開け放った。
「っ…」
着いたのは屋上。
雲一つない空が目の前に広がって、何だか余計に悲しくなった。
「…っ…うぅ…」
好きだよ。
直哉…
ずっと好きだったんだよ。
でも、エリカも直哉が好きなんだって。
ねぇ…直哉…
お願いがあるんだ。
「……」
私は涙で霞んだ目をこすり、ケータイを開いた。
震える指で文章を打つ。
『また星を見に行こう』
と打った。
宛先は
直哉。