大丈夫とか平気とか


言いたかったけど、さすがに無理だった。




「あんた達最低!!真奈ちゃん、行こう!」



エリカは私の手をとって教室から連れ出してくれた。




「…エリカ……」



玄関まできたところで私は足を止めた。



私は目に涙を溜めて、こぼれないようにキュッと唇を結んだ。



「真奈ちゃん…」



「エリカ…ごめんね」



「え?」



苦笑いを精一杯の笑顔に変えて、私は顔を上げた。




「…エリカ、直哉のこと好きでしょ?だから、悪いことしちゃったなーって」



「え…」



エリカは真っ赤な顔をして俯いた。




「…私は…直哉の……」



直哉の……



「幼なじみだから」



だから…



「だから、私なんか気にしないで。好きとかそんなのないから」



「…真奈ちゃん……ほんとに?」



エリカが赤くなった顔を上げた。



「ほんとほんと!直哉だってただムカついただけだよ。私なんかとあんなこと書かれて!だから、気にしないで!」



何でこんなこと言ったんだろう。



バカだ、私…