「何よ」
私はちょっとムッとして答える。
「あんまり隅行くと崖だから危ないぞ。海に落ちたら死ぬからな。気をつけろよ」
直哉はそう言い残すと、エリカと腕をくんだまま望遠鏡が設置してある方へと歩いて行った。
「ふん。何よ。バカ」
私は少し拗ねて星を見た。
真っ暗な世界から見上げた夜空。
「降ってきそう…」
改めて見てみると、やっぱり綺麗で
降ってきそうなくらい迫力があった。
「あれ……?」
夜空を眺めていたら、輝く星がぼんやりとぼやけてきた。
そして、目から涙がこぼれる。
「……っ…好き…」
好きだよ直哉。
でも、強がってかわいくないことを言ったり、素直になれないんだ。
…ねぇ直哉。
きっと…エリカも直哉が好きなんだと思うの。
エリカはさっきみたいに積極的だから、素直になれない私は見ていて悲しくなっちゃった。
直哉…
「…好きだよ……っ…」
好きだよ…
直哉…
素直になりたいよ…