直哉が言ったように、今夜は本当に天体観測日和だ。
「すごい!プラネタリウムみたい!」
そう言ってはしゃぐのはエリカ。
「案外いいな。こうゆうの」
そんな素直じゃないことを言うのはもちろんタカヤ君だ。
私は一人、少しみんなから離れて空を見上げていた。
「真奈」
名前を呼ばれた。
誰かはわかるから、私は空を見上げ続けた。
「ねぇ直哉」
「あー?」
横に来た直哉に問いかける。
「あれって夏の大三角形?」
私は3つの星を指さした。
「正解」
「ふふふっ」
私は空から直哉に視線を移した。
直哉もこちらを見ていて、目が合って二人して笑った。
「名前、わかるか?」
「星の?ううん。知らない」
私はもう一度空を見上げた。