早すぎだろ…。

早すぎ…。

ヤバい。



実際に百花に伝えるとなると、今さら足がすくみそうになる。

でも、ダメなんだ。


俺はしぼんでしまいそうな勇気を絞り出して、百花の方を振り返った。



「……!」




そこには

息を切らして、

顔を真っ赤にし、

額に汗を浮かべた百花がいた。




走るの嫌いなくせに…。


何でそんなに頑張ってくれたんだよ?


自惚れてしまいそう…。



「…大地くん…」



今にも泣き出してしまいそうな声で、百花は俺を呼んだ――。