彼からの質問に、あたしは何も答えられない。

言ったら、楽になれるかな?

この傷は、少しでも癒えるのかな…?



そんなことを考えているうちに彼とあたしの距離は1メートル程になっていた。


あたしの目には涙がいっぱい溜まってる。



今のあたしには、丁度いい距離だった。

一番、安心出来る距離かも知れない…。



いくら考えたって言っていいのか分からない。

辛すぎるんだもん…。


「…あ…はは……」


とりあえず、笑って見せた。

笑うことしか出来なかった。