誰もいない教室の窓際にたたずみ、夏の風を感じる。


あぁ、ほら。

気が緩むと、まただ。


「……うっ…っ……」


涙が目から落ちるんだ。


「……ふぇ……うっ……く…」



声を押し殺して泣いていると、扉がガラガラと嫌なくらいの大きな音をたてた。


…見られてしまっただろうか?


驚きと緊張で肩が震ったけど、振り返る。


逆光の中で、入り口に立っていたのは――。




……大地くんじゃないことを悲しむなんて、あたしってひどいやつ。


“彼”は大地くんの親友なのに…。