「これ、そうだよね?」


男の子の手の中ある写真は
どうみても私がさっき飛ばしてしまった穹ちゃんのプロマイド。


頷く私は彼の距離は2m程。
それでも私がゆっくりと後ずさりするから少しずつ開く。


(どうして、よりによって学校の人なの…)

でも、受け取らない訳にはいかない。
大切な物なのだ、
それがたかが、プロマイド1枚だろうと。


「そ、うです。ありがとうございます」

下げた頭をゆっくりとあげると
男の子はふんわりした笑顔で
どういたしまして と微笑んでそれを返してくれた。


傷か付いていない事を確認すると
ほっと息をついた。