階段を下りきって、 エントランスを通り抜けた所で 後ろから声を掛けられた。 さっきの私と同じ様に待って、と。 小走りだった足を止めて振り返った時には既に息が上がって額も汗ばんでいた。 大丈夫?という問いに 「大丈夫、です…っ」という頼りのない返事をして顔をあげると 見覚えのある、特徴的なイエローのブラウスにガーネットのネクタイ、 ・・・私の通う中学校の制服の、男の、子…。