「……」

 レイと監視の男は音に聞き入る。

 しばらく銃声が途絶え、おそらく最後の一発なのだと窺える銃声が響いた。

 男のライフルを持つ手に緊張が走る。

「!」

 そうして、2人の前に現れた影──視界の左から、ゆっくりと歩み出てくる青年に釘付けになる。

 あまりにもの堂々とした態度に呆然とした。

 印象的なエメラルドの瞳が男を見据えたとき、ようやく持っていたマシンガンを青年に向けた。

 ベリルは手にしていたハンドガンを指でひっかけて見えるように示し、コンクリートの地面に置いた。

[制圧した。抵抗は無意味だ]

[無意味なものか! 俺たちの命が……っ]

[無意味なのだ! その時ではない]

 いつも物静かなベリルが声を張り上げる。