「もうすぐレイが帰ってくるから、それまでリビングにいよう」

 階下に促し、降りていく少年の後ろ姿を見つめてハタと気づいた。

「仕事が忙しいって……ベリルの?」

 口の中で発する。

 そうだ、この子の父親はベリル専属の仲介屋だ。彼が忙しいって事は、ベリルに大きな仕事が入ってるという事なんだ……少しの不安が過ぎる。

 でも、仲介屋って仕事の依頼を仲介するだけじゃないのかな?

「サム」

「なに?」

「仲介屋ってなにをするの?」

「しらねーよ」

「え、知らないの? じゃあお父さんの仕事を継ぐ気はないの?」

「オレは軍に入るんだ!」

 と言いながら嬉しそうに銃で撃つ仕草をした。