外は土砂降りの雨。
空気はジメジメしてるし、蒸し暑いし
ホント最悪。

なんでこんな日に入学式なんてあるの…??

「愛美ー(あみ)。早くしないと遅刻するわよー」
あぁ
はいはい

そう、今日からアタシは中学生。
正直、中学生活もアタシにとっては退屈でつまらないものになるだろう。
「お兄ちゃんに『行ってきます』言った??」
お母さんがアタシに言ってきた。
「え?まだだけど…」
「早くしてきなさい」


アタシのお兄ちゃんは二年前に殺された
犯人は今、牢屋の中にいて裁判してる途中。
アタシのお母さんはお父さんと仲が悪くて離婚した。
だから家は母子家庭。

でも、最近お母さんに彼氏ができたって真夜叔母さんから聞く

アタシは新しいお父さんなんて認めてられる余裕がない

だってアタシ、男の人が苦手だから…

中学でも男の先輩にケンカ売っちゃいそうで、自分でもハラハラしてる。

さぁ、行くか

あーあ。
面倒だな…
アタシと同じ小学校の人は二人くらいしかいない。
まぁ、その二人はジミーズだからアタシとは無縁だけどね 笑


「お母さん、先行ってるから」
一言声を掛け、学校へむかった

こんな土砂降りの雨なのに、どうして歩きなんだよ…
なんか、アタシのテンションまでジメジメしてきた…



チリチリーン!!!!
「あ!危ないっ」

ばんっ!!!!!!


いったぁい…
なにコイツ

制服がびしょびしょ…
最悪じゃん

これで入学式に出ろって言うの!!??
「ごめん。大丈夫?」
はぁッ!!??
「大丈夫な訳ねーだろ!!??この格好で入学式出んのかよ!?」
やっべっ…

やってしまった…
しかも…同じ中学だし…
先輩なのに…

「ごめん!とりあえず、俺についてきて」