さっきまで彼女がいた場所に

俺は立ってみた。


…思いを伝えるだけ。

それだけでいいんだ。

高校はどうせ別だから

卒業式の日に言おう。

言ってスッキリしよう。


今度こそ、決めたらやり通す。

俺は覚悟を決めた。





受験も殆ど終わり、

ついに明日は卒業式の3月9日。


俺は見事受験に受かった。

彼女も受かったらしい。


もう会えないから、

明日しか思いを伝えることが出来ない。


俺は緊張で眠りにつけなかった。




朝登校して教室に入ると、

すでに殆どの人が胸に花を飾りつけ

教室のいたるところで

お別れを言ったり、携番を交換していた。


集まって嘆く女子の中に、

彼女もいた。


密集した女子の真ん中にいても

すぐに見つけることが出来た。

彼女は泣いても笑ってもいなかった。


女子をみていない。

何も考えていない。

そんな感じだった。