まだ彼女を諦めきれずにいた俺は
彼女のいく高校が気になった。
聞かずにはいられない。
「どこ受けるの?」
ついに俺は、喋りかけてしまった。
「○○高」
彼女の返事は短かった。
だが、顔はあの頃のまま。
上品そうな整った顔立ちの、
口角を少しだけあげて、彼女は俺に向けた。
懐かしい
初めて見たとき、
初めて話したとき、
初めて笑いかけてくれたとき、
約2年前から今日までの
彼女の表情が一気に脳裏を駆け抜けた。
俺は2年も彼女を思い続けたのだ。
「どうしたの?」
何も言わない俺に、彼女は言った。
「あ、いや、、
…なんでもない。」
やっぱり俺は彼女が好きだ。
諦められるはずがない。
「そう。…じゃあね」
彼女はまた、口角を少しだけあげて
おしとやかに手を振った。
今しかない。
「…っま、待って!」