彼女は俺に好意を持っていない。
そう判断して、諦めようとした。
だけど、隣にいる彼女は
上品で美しくて、華のある人…
そんな人が隣にいれば
諦めるのも容易ではない。
おれは2年生が終わるまで
ずっと彼女が好きだった。
クラスが変われば自然に諦めるだろう、
などと思いながら。
だが、
3年生のクラスで見事俺は
彼女と一緒になってしまった。
クラスの初めの方は、席が出席番号順だから
彼女と俺は端から端の席だった。
彼女からは話しかけて来ないから
俺が話しかけない限り、会話はない。
俺は彼女と目が合っても、すぐに逸らした。
用がない限り話しかけはしない。
彼女の方も、不思議には思っていなかった。
まるでそれが当たり前のように対応した。
そんな日々が続き、気がつけば1月。
学年では受験の話で持ちきりだった。
それもそのはず。
もう高校受験する人はしているのだ。