同窓会から1年後。
俺は22歳になっていた。
マサに紹介された、お洒落なバーに入る。
「あら、政宗くん。…と、お友達?」
バーのママが話しかける。
「まあ昔からの悪友みたいなもんです。」
「イケメンな悪友もったわねえ。」
とりあえずお酒を飲みながら
ママとマサと俺の3人でお喋りをする。
「あら、じゃあ2人は中学生の時から知り合いなの?」
「はい、12歳の時から。」
「まあ~凄いわね、10年の付き合いじゃない。」
喋り始めて1時間と経たないころ
薄暗いバーのどこかから
綺麗なピアノの伴奏が聴こえてきた。
儚い旋律。
あの頃の俺のように。
「綺麗な音ですね」
「最近入った子よ。凄く美人な子。」
「へえ、会ってみたいですね。」
「じゃあ今呼びましょうか?」
マサの言葉をきっかけに
ピアノを奏でている主がこちらに向かってくる。
「ヒロ、わりぃ、ちょっと電話してくるわ」
マサは店の外に出て行った。